2007年6月25日月曜日

たろべえ

私は他人と住むことに慣れている方だと思う。

初めての就職先では同期の子と寮に3年くらい住んでたし、ニュージーランドにいるときは、ホームステイをしたり、人の家に住み込んで家事のお手伝いをしたり、現地の人と間借り(ルームシェアー)をしたりしていたし、日本に帰国してからも、職場の子と一緒にアパートに住んでいたし。
だから、多少癖がある人でも、別に驚かずに騒ぎ立てずに「ふ~ん、それも個性だしね」と言うように特に気にせずに人と暮らせるようになっていくもんだ。

そして、人と暮らした分だけ、色々なルールが生まれる

暗黙の了解のものから、何か起きてから決めたことなど、家庭それぞれ、人それぞれのお家の中でのルールが自然と生まれてくる。が、そんなことも当たり前だし、そんなにビックリするようなルールも今までなかった。

でも、我が家のルールの中に他人に「えっ?」と聞き返されるものがある。

我が家では絶対に絶対にしてはいけないことである

それは…

「蜘蛛を殺してはいけない」

である

館山は蜘蛛がすごく多い。

一軒家だからなのか館山だからなのか良く分からないけど、我が家には大きいものから小さいものまで本当によく蜘蛛が訪れる。蜘蛛を見ない一日はないのではないかと言うくらい毎日蜘蛛を見る。寒くて家の中をきっちり締め切っていてもどこから入ってくるのか絶対に家の中に1匹はいるくらいだ。

まだ、旦那と暮らし始めてすぐの頃、家に蜘蛛がいたので私は殺虫剤でシューッと吹きかけた。
蜘蛛を殺すことなんて私にしたら蚊やゴキブリを殺すのと同じような感覚だった。

そんな私の行動を見て、旦那は、いきなり

殺すなーー!!

と言って、私から殺虫剤を奪った。

私はビックリして倒れそうになった。
今まで虫を殺虫剤を使って退治しようとしている私を止めに入られたことは30年間の人生で1度もなかったので衝撃だった。

旦那の言い分によると、昔話に「蜘蛛の糸」というのがあるらしい。

生きてるときにあまりいい行いをしなかった人が地獄に落とされたんだけど、生前、唯一良い行いとして、「どんな小さな蜘蛛でも命あるものなんだ」と、小さな蜘蛛を助けたので、地獄に落とされたその人を蜘蛛が糸を垂らして助けたらしい。(結局は地獄に落とされてしまう話なんだけど)

だから(?)蜘蛛が我が家で見つかっても絶対に殺さない。

直径(足も入れて)5センチ以内なら旦那は手で掴んでシャカシャカと振りながら(蜘蛛が手の中に入ってることを確認しながら)、外に捨てに行く。
5センチを超えたものは息を吹きかけながら一番近い出口まで誘導することになっている。

そして、何故か「蜘蛛」とは呼ばずに
「たろべえ」
と名付けられている。

他にこんなに蜘蛛に対してやさしい家庭はあるのかというくらい、我が家に入ってきた蜘蛛はラッキーだと思う。


でもさ~、その話、たまたま蜘蛛が題材にされてるけど、もし、蜘蛛がゴキブリだったら同じ対応をしてあげるのかしら??

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